CHILK

更新日:2022年06月10日

CHILK 轟木 凌也 氏 比志島 隆太 氏

自分だけの一着を。服とアートと空間を、ゆっくり楽しむアパレルショップ

―広々としたお店ですね。どのような商品を取り扱っているのですか?

轟木凌也(以下、轟木) 2021年7月にオープンした、主に80年代から90年代の古着をメインに取り扱っているアパレルショップです。メンズ、レディス、キッズと、幅広く品揃えしています。お客様に長居をしてほしいという思いから、空間を広く生かして、くつろいでいただける古着屋を目指しています。

―お店のこだわりを教えてください。

轟木 この場所を、洋服を買ってもらうだけではなく、ここにいる時間を楽しんでもらえるような古着屋にしたいと思っています。

ですから、カフェも併設していて、飲み物も提供しています。また、同級生や友達の中には、結婚してお子さんがいる人も多いので、家族みんなで楽しめるよう、子ども服も扱っています。

―古着を取り扱う上で、苦労していることなどありますか?

比志島隆太(以下、比志島) 小林には古着屋がないという点で、古着に対してどれだけの対価を払ってもらえるのか全く予想がつきませんでした。

ですから、どの価格帯が売れやすいのかなど、価格設定は手探りで、オープンしてからずっと試行錯誤が続いています。

―古着以外でお客様を呼び込む活動もされているのですね。

比志島 音楽やアートなどのカルチャーも、当店が拠点となって発信したいと思っています。

例えば、自分たちでコースターを作ったり、絵を描いたりしています。また、古着の仕入れの時に古本屋さんなどを巡って、良いデザインのポスターがあったら仕入れて、お店のインテリアにしたり、欲しい方がいれば販売したりと、洋服だけではなく私たちの感性で選んだアート商品も取り扱っています。

―温めている企画などありますか?

比志島 インスタグラムのプロフィール欄には、

「不定期でアーティストによる展示会も行っております」

と書いているので、主に宮崎県で活動しているアーティストの展示会を開いて、小林の人たちにたくさん来てほしいと思っています。

―商店街でお店をオープンしてみてどうですか?

轟木 近くの飲食店を始め、商店街の方々には、オープン前の挨拶回りの時から応援してもらっています。

当店のような、今までになかった店ができることを歓迎してくださっているようで、こういう商店街でお店をオープンできてとても良かったです。

―地域の企業とのコラボ商品も販売されているそうですね。

轟木 小林市内でレディスのパンツなどを製造している『南海服装』さんと、Wネームという形で商品を作っています。

第一弾が夏物のストレッチパンツで、第二弾として2021年の冬から販売しているのが、裏起毛で動きやすい、冬物の暖かいストレッチパンツです。これからもシーズンごとに、例えばショートパンツにするなど、変化をつけながら売り出していきたいと思っています。

いつか、『宮崎を代表する古着屋』に。若い人にも伝えたい、「好き」を「仕事」にする熱意

―20代のお二人が始めたお店ですが、創業までの経緯を教えてもらえますか?

比志島 オープンの前年まで、二人とも東京の同じ会社で働いていました。

地元も出身高校も同じということで意気投合し、お互い洋服好きなので、休日はよく一緒に古着屋を巡っていました。その中に通い詰めていた古着屋があって、そこはお客さん自らが自分の好みを発信するコミュニティとなっている、とても居心地の良い空間でした。

―ただの古着屋さんではなかったのですね。

比志島 そうなのです。

いつしか、「私たちもこういうお店を作って、洋服好きの人たちと同じ空間を共有したい」と思うようになりました。二人ともいつか宮崎に帰りたいという気持ちはあったので、「古着屋をやるなら宮崎でやろう」と、お互いの気持ちを固めました。

当初は、宮崎市内に店を構えるという案もあったのですが、今までになかった店を小林で作ればより目立つのではないかと、小林でやっていくことに決めました。

―若いお二人ならではのアイデアも、今後楽しみです。オープンして半年ほど経ちますが、現状はいかがですか?

轟木 学校が早く終わった日や、部活の休みに友達同士で来てくれることが増えてきて、高校生たちにも少しずつ知名度が上がってきているのかなと感じています。

今はゲームセンターなどもないので、放課後、列車待ちの時間や、暇な時にはぜひ店に来てもらって、楽しんでほしいと思います。

―高校生との企画などもあるのでしょうか?

轟木 地域とつながりを持って店をやっていきたいと思っているので、高校生と一緒にファッションショーなどをやれたら良いなと思っています。

古着をあまり着たことがない人に、当店の商品を着てもらって、その人にどういう変化が生まれるのか知りたい気持ちもありますし。

それで、古着や洋服に興味が湧いて、例えば進路に迷っていた人がデザイン系の専門学校を目指すようになったりと、人の将来にも影響を与えられたら嬉しいと思うので、地元の高校生とのコラボ企画は面白そうだなと考えているところです。

―高校生に夢を与えることができるかもしれない、素晴らしい企画だと思います。その他、将来のビジョンはありますか?

轟木 目指すべき場所は、『宮崎を代表する古着屋』です。

古着屋というと、お客さんもよく仰るのですが、狭い空間に洋服がぎっしり重なって並んでいるというイメージを持っている方が多くて、初めて来店された方は、「え?古着屋なの?」と驚かれます。

空間作りとしては、このテイストを保ちつつアップグレードして、もっと格好良くしたいと思います。「一般的な古着屋とは違う古着屋」というところを追求して、宮崎を代表する古着屋になることが、一番大きな目標です。

―では最後に、「働く」とは?

轟木 今はただ「面白いこと」です。

会社員として勤めていた時は、仕事に心躍ることはあまりなかったのですが、好きなことをやっていると、仕入れの時も、店頭に立っている時も楽しいですし、洋服が売れることだけではなくて、お客さんと話したり、接したりすることが楽しみで面白いですね。

比志島 私は、「自分のことを好きになること」だと思っています。

会社員の時は、やりたいことをやれていなくて、毎日満員電車で通勤して、何となく仕事をして、何となく帰っている自分が嫌になっていた時期もありました。そこから勇気を出して抜け出した今は、自分の好きなものに囲まれて、古着が好きなお客さんたちと話している自分が「好き」だと思えます。

「働く」とは、仕事をしている自分のことが好きになれるかどうかなのではと思います。


この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部 地方創生課

〒886-8501
宮崎県小林市細野300番地 小林市役所 本館3階

電話番号:0984-23-1148
ファックス:0984-23-6650
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