株式会社 クリーン・アクア・ビバレッジ

更新日:2022年06月13日

株式会社 クリーン・アクア・ビバレッジ 代表取締役社長 米元 正巳 氏

自然の恵みに深い敬意と情熱を。霧島の山が育んだ清らかな水を全国へ

―事業の内容を教えてください。

2009年6月に操業を開始した、ミネラルウォーターの専用工場です。北は北海道から南は沖縄まで、全国のファミリーマートの店舗に供給しています。

標準サイズの500mlペットボトル換算で、年間3000万本以上のミネラルウォーターを出荷しています。

―すごい量ですね!元々この場所には何があったのですか?

元々ここは、鹿児島県に本社を置く『本坊酒造』の焼酎工場でしたが、昭和50年代に小林工場は休業となりました。酒造用の水がこんこんと湧き出て、木々が青々と生い茂った、趣深い歴史ある工場でした。

―焼酎工場だったのですか。それがなぜミネラルウォーターの工場に?

大手コンビニエンスストアであるファミリーマートの社長が本坊酒造の方と小林に来られた時に、たまたまこちらの元工場を見られたのだそうです。

そこには、良質な地下水が大量に湧いていて、これを利用しない手はないと、ファミリーマートと本坊酒造が合同でミネラルウォーター事業を始めることになりました。古い焼酎工場を取り壊して更地にし、そこからスタートしたというわけです。

―そんな経緯があったのですね。事業を行う上で、大切にしていることはありますか?

弊社の方針は『品質第一』です。

特に、販売先が全国展開のコンビニエンスストアということで、品質トラブルに関しては、強い危機感を持って事業を始めました。

殺菌など、製造上の衛生管理には特に気を配っています。創業して半年内に「ISO9001(品質)」を認証取得し、それ以降、高い品質レベルを維持していくことを常に心がけています。

―商品の品質に対して、高い意識を持って取り組まれているのですね。

「我々は安全で満足度の高い商品を顧客に供給するために、法規制を遵守し、食品安全マネジメントシステムの積極的な改善を継続し、社会貢献を達成する」

これは、弊社の食品安全方針なのですが、毎朝、全員で唱和して朝礼を行なっています。改善を継続することは、集団活動の中では意外と難しく、停滞しがちです。

ですから、基本の精神を忘れず、自分たちのスキルアップを日々図っていくという意味でも大切なことだと思っています。

―一口に『水』と言っても、奥が深いのですね。こちらで湧出する水は、どんな特徴がありますか?

水は日量1700t湧いており、工場で使用するのは日量1000tです。

水源は、国立公園である霧島連山の北側にある夷守岳(ひなもりだけ)で、そこから20年余りかけてゆっくりと、さまざまな地層の影響を受けながら、工場の敷地まで流れてきます。こちらの水は日本でも珍しい『中硬水』で、カルシウム、マグネシウム、カリウム、シリカなどのミネラルが豊富です。そして、水量が凄まじいのです。一般的にミネラルウォーターの工場というのは、地下水の層にボーリングして、それをポンプでくみ上げるのですが、この水源にポンプは入っていません。

自然の水圧で、工場内まで入ってくるだけの強さがあるのです。

―それはすごいですね。工場で使わない残りの水はどうなるのですか?

余剰水も、そのまま飲める水です。

実は、弊社から流れ出た水は、農業用水として、下流地域の水田を潤しているのです。米作りにもミネラルは非常に大事ですから、良いお米ができていると思います。

工夫と改善で、仕事はどこまでも面白くなる。地域の人材を大切にしながら好循環を生む秘訣

―商品名に地名が入っていますね。

はい、水源地の『霧島』を冠した商品と、もう一つ、地元の地名が入ったものをと『細野の天然水』という商品を作りました。

この地域は、江戸時代は『細野村』と呼ばれていた流れで、今も『細野』という地名が残っています。細野はまず環境が良いですよね。良い環境には、素直で真面目な良い人材が育ちます。

良い人材は「財産」です。そして、企業を動かしていくには、「財産」は必要不可欠です。

―環境と人材の関係性、興味深いです。では、従業員は地元の方が多いのですか?

やはり、企業というものは、地元に根差してこそです。

最初から「求人も地元で」と考えていました。ハローワークに求人を出したところ、150名ほどの応募があったのですよ。最終的に地元で新規採用した20名ほどを中心に、事業を開始しました。

採用から操業開始までの2ヶ月近く、プレハブの建物でいろいろな研修をしたり、あちこち見学に行ったり、従業員の士気を高めていました。

―現在は、従業員の働く環境のために、何か工夫されていますか?

採用時より、従業員にとって仕事が生きがいになり、楽しく働ける会社を目指してきました。

そのために、日頃から仕事を「やりやすく」、「楽に」、「効果的に」、そして「スピードを上げていく」目的で『改善活動』という取り組みを続けてきました。

自分たちの職場環境、仕事の内容、やり方を常に見直して改善していくと、仕事はどんどん楽になり、楽しくなります。

―魅力的ですね。具体的にはどのような活動なのですか?

普段からなるべく、ルーティンワークは簡単に、楽にするように、

「ムリ、ムラ、ムダ」

の排除を心がける活動ですね。

それで、仕事はさらに面白くなるはずです。そして、効率も良くなるので、結果的に従業員は会社の経営に貢献することになります。それが待遇として反映するという好循環となりますので、ここ何年も離職者はいないですよ。

―最後に、社長にとって「働く」とは?

「人生を楽しむこと」かな、と思います。

やりがいを感じたり、楽しかったり、というプラスの感情なしでは一生続けられるものではないですし。それが結果的に生活や家族を支えてくれるので、またやりがいにつながります。

ですから、従業員にも仕事が楽しくなるようにしてほしいですね。

「簡単に」、「速く」、「無駄は省く」、「新しいことにどんどん挑戦する」。

そうすると、事業展開にも方向性が見えてくると思います。非常に地味な言い方ですけど、「コツコツと改善を続けること」が一番難しいことです。そして、「人生を楽しむ」ということだと思います。


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