東康夫養鶏場 康卵の里

更新日:2022年06月13日

東康夫養鶏場 康卵の里 代表取締役 東 慶良 氏

「命を作り上げ、守るもの」。健やかな鶏から産まれる、確かな卵『康卵』

―事業の内容を教えてください。

鶏卵の生産販売が主な事業です。父が立ち上げた『康卵』というブランド卵を、お客様に親しまれやすいよう『康卵の里』という屋号を掲げて販売しています。卵を産む鶏をしっかりと育て、産まれた卵を毎日収穫、それを市場に卸すだけでなく自分たちで販売することを始めて40年近くになります。

―社名にある東康夫様が、創業されたのですか?お父様ですよね。

そうです。農業高校で学んだ父が、『派米研修』という事業を活用してアメリカで二年間勉強しました。帰国後、自分で一から山を開拓し、少しずつ鶏舎を整備して、業を起こしたというのが始まりですね。

―『康卵』とはどのような卵ですか?

「食べる人を健康にするための卵」です。

「食べ物は、人の命を作り上げ、守るもの」という考えを根底に、「私たち農家が作る食べ物は、その人の健康につながるものでなくてはいけない」、という信念が弊社の全ての礎となっています。それを元に生産しているのが『康卵』です。

―お伺いしていると、食べたくなりますね。こだわりも教えてください。

まず、鶏に余計なものを食べさせないことです。

摂る必要のない化学的なものを鶏の体には入れさせません。それから、人間もそうですが、腸内細菌や乳酸菌の有用性が注目されていますよね

。弊社では約40年前から鶏にしっかり良い菌を食べさせて、腸内環境にも気を配ってきました。そして、水です。水が良くないと良い卵は絶対にできません。卵の約7割を占める水分がどこからくるかというと、親鶏が飲む水です。親鶏が口にしたもの全てが卵に影響を与えるのです。

弊社が誇る安心安全の『康卵』は、「餌、菌、水」を大事にして作り上げています。

―大変なことも多いのでは?

夏場でいうと、一番大変なのは敷地内の除草作業です。

その土地にいる土着菌や有効菌、また地下水に害がないよう、除草剤を使わずに草刈りをします。

その他にも、消毒をしない代わりに洗浄をしっかり行うなど、おいしくて安全な卵を作るためには、たくさんの手間がかかります。

―将来の展望などあればお聞かせください。

まだまだ『東康夫養鶏場』も『康卵の里』もご存じでない方が多いと思うので、多くの方にもっと気軽に弊社の卵を買っていただけるようにしていきたいです。その一環として、弊社の卵を使ったお菓子を作って、少しずつ販売を始めているところです。

また、『康卵』を産む鶏はとてもおいしいので、鶏肉も提供できるような事業展開も考えていきたいと思っています。

地域の未来を見据えて。仲間と手を取り合う地域活動

―地域活動にも熱心だと伺いました。

「地域のためになることをやりなさい」

と、祖父にも父にも言われてきたので、会社経営や地域活動をするときには、「少しでも地域のためになるにはどうすれば良いか、何が役に立つか」と常に考えています。

自分のことも大切にしながら、家族、家族の周り、さらには地域でいかにして自分が人の役に立てるかを考えていますね。

―具体的にどのようなことをされていますか?

西諸地域各所に卵の自動販売機を設置しているのですが、この事業は地域貢献という役割が大きいと思います。

良心価格で販売していますので(笑)。

弊社は取引先の多くが県外や個人のお客様で、直接発送を中心に販売しています。

それだけですと、えびのに根を下ろして会社を経営していながら、地域の皆様に卵をお届けする機会がどうしても少なくなってしまいます。そこを自動販売機が担っているというわけです。

―良心価格というのが財布にも優しくて嬉しいです。地域活動をしていて、良かったことはありますか?

この会社で働くためにUターンをして9年目になるのですが、帰ってきた当初は仲間も友達もおらず、どういう経営者がこの地域で仕事をされているのかを知る人脈もありませんでした。そこで、まずは地域のことを知ろうと、JA青年部や商工会青年部、青年会議所などに所属して、小学生向けの食育や、京町二日市を中心とした買い物市での販売などの青年活動を頑張ってきました。その中でも思い出深いのが、数年前までえびの市で行っていた『焼肉スタジアム』というイベントで実行委員長をしたことです。所属していた団体やたくさんの人の協力を頂いて、「周りにこれだけ仲間がいて、助けてもらえるのだ」ということを実感できた、良い経験となりました。

―食育にも携わっていらっしゃるのですね。

子どもたちの前で、農業や食べ物、そして卵について話せるのは楽しいことです。そして、それらを知ってもらうことで、「頑張って地域農業を支えよう」、「農業や地域のことに携わっていこう」という子どもが少しでも増えたら、こんなに嬉しいことはないですね。

働く意味。なりわいの先にある、働くことの本当の価値とは

―従業員の働く環境についてはいかがですか?

「会社に行くのが楽しい」と思える会社にしたいと思っています。まだまだですが。そのためには、従業員自身が成長できる機会を作っていくことが大切です。今後展開していきたいのは、「好きなこと、得意なこと」を事業の中で活かしていくことです。ガーデニングやDIY、音楽など、それぞれが持っている趣味や特技を活かせる仕組みを作れたらと考えています。

―最後に、「働く」とは?

「人のためになること」です。人の役に立つこと、それ以外に働く意味はないと思います。お客様の役に立たなければ、お金を頂くことはできません。働くということは、どんな仕事でも同じく、目の前にいる人の役に立つことです。生活していくために必要だというのはもちろんですが、その先にあるものは、やはり「世のため、人のため」です。そういうところに思いを巡らすとやる気も出てきますし、それだけは分かっていてほしいと思います。


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総合政策部 地方創生課

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