ホリケンファーム

更新日:2022年06月13日

ホリケンファーム 代表 堀 研二郎 氏

環境負荷を与えず持続可能な有機農業を目指して

―どのようなお仕事をされているのですか。

100アールの農場で、有機農業をやっています。一年を通して季節の野菜を作り、直接お客様にお届けしています。

2021年6月には、野菜の直売と飲食できるスペース、そして野菜を加工できる場を兼ね備えた『ROJI』というお店をオープンしました。

―はじめに農業を志したきっかけは何でしょう?

最初は、昔泳いでいた地元の川が汚くなっているな、と感じたことです。

環境に対する興味はあったので、東京農業大学で環境保全の勉強ができると知り、進学しました。そこで学ぶうちに、「農業に可能性があるかも」と思い、農業を志し始めました。

―なるほど。環境問題への関心から農業につながったのですね。では、農業を行っていく上での理念はありますか。

「環境に負荷を与えず持続可能にできる有機農業」を自分の生業としていこうと思っています。そこをつきつめていった結果、「ここに居る」というところです。今のこだわりは、「美味しい野菜を作る」ということと、「いかに持続可能な生産ができるか」ということを目指し、理念としています。

―「環境に配慮すること」を大切にされている気持ちが伝わってきます。それを生業としていく上で、「持続可能な生産」は欠かせない課題ですね。

現在取り組まれている有機農業ですが、具体的にどういった農業なのかを教えてください。

有機農業は、環境に負荷を与えず、自然界にあるものを土に還元してサイクルを作り、持続可能な営みをしていく農業です。化成肥料や除草剤を使わないので、手作業で草を取ったりしています。肥料は有機物なのですが、自然にあるものを利用して、自然のサイクルに沿った営みをすることが、有機農業の根本的な原点ですね。

機械は使いますが(笑)。

―まさに、環境保全に配慮した事業ですね。続けていく上で「持続可能」という言葉が鍵となるようですが、今後の事業展開については、どのように考えていますか。

オープンした店で、野菜の直売をしながら、料理を提供したり、野菜の新しい使い方や料理方法を知ってもらうための活動をやっていきたいですね。一人でも多くの方に知ってもらいたいです。一番は「健康で楽しく農作業ができる環境を作る」ということですね。

―お話を伺っていて、農業の可能性が広がっているのを感じますが、どのようなところに農業のやりがいがありますか。

農業は、唯一有機物を作ることができる産業として、オリジナリティーがあります。そこがやりがいです。自分で蒔いた種が育っていって、食べられることと、また、それを食べた人たちが、「おいしかったよ」と言ってくれることも励みになりますね。自然の営みの中で行う産業だから良いですよね。大変ですけど(笑)。

     自然と共存。抗わず、受け入れて、全てを楽しむ。自然な生き方を全力で

―すばらしい仕事ですが、自然の中で取り組まれているから、大変なことも多そうですね。

そうですね。モチベーションを保つためには、諦める勇気が必要です、農業には。

だって、無理なので(笑)。

台風などの自然災害もあれば、想定しないことがたくさんあります。1年、1日として、同じ環境になることがないのです。同じことを1年前の同じ日にしても、同じ結果にはなりません。

―諦める勇気ですか。確かに自然災害などは、人にどうすることもできない問題ですね。では、農業の楽しみは何でしょう。

私は、「芽が出た」、「風が吹いた」、「緑が濃いな」、「空がきれいだな」、「今日寒いな」などというのを感じられることが好きなのだと思います。

何をやっても大変なことはあるじゃないですか。ですから、育てている野菜が全滅しても、「しょうがない」と思うしかないですよね。

毎日、毎日、新しいことを考えながら作業することが楽しいですね。「昨年はどうだったかな~」と思い返したり、日々発見と言いますか、気付きがあるから面白いです。

―自然そのものを楽しまれているのですね。

それに、人は生きていく上で、必ず食べるじゃないですか。その食べ物を作っているということも、良いなと思えます。それがモチベーションなのかもしれませんね。自分で好きなもの、おいしいものを作って食べる。本能に近いかもしれませんが、そこに携われることも喜びですね。

―最後に、堀さんにとって「働く」とは?

「働く」ということは、「生きる」ということですかね。生きていくための生業と言いますか。それを何にするかだと思います。

農業をする前、野菜の会社に勤めていたことがあります。でも、「この生き方じゃないな」と感じていましたね。やっぱり現場で作って、生きていきたい、という気持ちがあったから農業を選びました。それが、働いているということにつながっていると思います。

だから、「働く」というのは、生き方そのものですね。


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