一般社団法人熱中こばやし

更新日:2022年06月13日

一般社団法人熱中こばやし 代表 大窪 和利 氏

未知の世界を、やわらかな心で見つめる大人たち。『7歳』の自分を取り戻す学び舎

―『こばやし熱中小学校』。名前を聞いただけで興味をそそられます。どのような場所なのですか?

簡単に言うと「大人の社会塾」です。

社会人になると、普段の生活や仕事だけでは、新しい学びを得るのはなかなか難しいですよね。もっと自分の世界を広げたい、知的好奇心を満たしたい、そんな大人たちが集まって勉強する場所です。

―大人になってから「もっと勉強しておけばよかった」ということはよくありますね。

そうですね。

『熱中小学校』という団体は全国にあり、本部である『一般社団法人熱中学園』には約230人(2020年現在)の講師が登録されています。

この『こばやし熱中小学校』では、登録されている講師のほか、地元小林で活躍されている方々も講師に招いて授業を行っています。講師陣は有名な企業の社長、大学教授、農家など、バラエティに富んでいます。

―授業の仕組みはどのようになっているのですか?

1期半年で、毎月1回午後に2コマの授業を行っています。18歳以上であればどなたでも受講できます。小林に住んでいなくても大丈夫ですよ。

高校生は無料で聴講生として参加することもできます。

―大窪さんは代表理事ということですが、他にもお仕事をされているのですよね?

私個人では、「ダイワファーム」という会社を経営しています。

自社農場の牛から搾った新鮮な生乳で、チーズやアイスクリーム、ヨーグルトなどの乳製品を製造販売しています。

―代表自らが、仕事を持ちながら学びの場を創り出しているのですね。

事業の立ち上げは、2017年に宮崎市の一般社団法人が小林市と一緒に行ったのですが、ちょうど一年くらい経過したころ、小林市民で独自に運営していこうという話が持ち上がりました。

そこで、元農水省の畜産部長だった『こばやし熱中小学校』の校長と酪農を通して懇意にしていた私が代表をすることになり、『一般社団法人熱中こばやし』としてスタートすることになりました。

―具体的な取り組みについて教えてください。

熱中小学校は「もういちど7歳の目で世界を」をキャッチフレーズにしています。

子どもに戻って、やわらかい心で話を聞いて知見を広めることで、仕事やプライベートがさらに充実し、人間力が高まります。それが、ひいては元気なまちづくりへとつながると思っています。

―いきいきと学ぶ大人たちの姿が目に浮かびます。

直近では、『東京大学先端科学技術研究センター』と、『東京大学次世代知能科学研究センター』から教授を招いて「人工頭脳は我々の生活をどう変えるか」、「リモート時代の身体性」、「政治と科学を見通す『作動学』」について授業を行いました。

小林で暮らしていて、こういった先端科学の授業を聞ける機会というのは、まずありません。

―少し難しそうな気もします。

それが、そうでもないのです。

未知に触れるということは感動の体験です。そして、授業を終えた夜は、小林オリジナルの『焼酎一貫校』を開催します。講師の方と膝を交えて、小林の美味しいものを食べながら焼酎を酌み交わす「授業」です。これがなかなか人気がありまして(笑)。

毎回、講師の方々も喜んでくださって、「また小林に来たい」という声も多いのですよ。

―とても楽しそうですね。

小林ならではの『肉肉(にくにく)コース』というのもあって、私が部長を務めているのですが、生ハムやソーセージを作ります。

他には『食の熱中オンライン』があります。

野菜やお肉、チーズなどの小林の特産品を受講者の自宅に届けて、オンラインでその魅力を伝える、アナログとデジタル両方を活用した講座です。普段、お店で品物を手に取るだけでは伝わりにくい食材の魅力を、生産者自らが発信することができるというものです。

私も一度「ダイワファーム」としてチーズの食べ方の紹介などで約1時間話をさせていただきました。

発見も喜びも、『難しさ』の中に。『難しい』を楽しんで新たな世界へ

―工夫に富んだ講座の数々ですが、ご苦労などはありますか?

講師の調整や選定など、難しい面もいろいろあります。

人と人が関わる事業ですからね。受講者が望んでいること、学びたいことをできるだけ叶えたい、また、まだ『熱中小学校』を知らない市民をいかに取り込んでいくか、それも難しい問題です。

しかし、難しい難しいと言ってはいますが、実は面白いと思っています。講師の選定一つで、大げさに言えば受講者の人生が変わるかもしれません。

どのようなジャンルの、どのような人を、どのような組み合わせで呼ぶか、一回一回が難しくも面白い作業です。

―最後に、大窪代表にとって「働く」とは?

「生きがい」の一言に尽きますね。

遊びと趣味を兼ねてもいますから。工房を作って、チーズ作りを本格的に始めたのが50歳でしたが、それから私の人生が変わりました。人の輪がすごく広がりましたね。また、チーズというのは発酵する『生き物』ですから、本当に難しいです。でも難しさの中にこそ面白さがあります。失敗しても「次はこうしてみよう」、「どう変えていこうか」と考えるのがまた楽しいのです。ですから、「学ぶ」ということも、熱中小学校の大事なコンセプトですが、やはり「楽しむ」ことが一番です。「学ぶ」と「楽しい」はつながっています。

興味と好奇心があれば、どんなことでも楽しくなるので、心の持ちようで、仕事はいくらでも楽しくなりますよ。

私は、いつも明るく楽しく笑っていきたいと思います(笑)。


この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部 地方創生課

〒886-8501
宮崎県小林市細野300番地 小林市役所 本館3階

電話番号:0984-23-1148
ファックス:0984-23-6650
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