須木の滝(ままこ滝)

更新日:2022年02月18日

須木の滝、別名ままこ滝の水が湖面に水しぶきをあげて落下している様子の写真

 すきむらんどの大つり橋を渡ると、目の前に雄大な滝が現れます。大淀川の支流、本庄川(綾南川)の上流にあたる須木地区には、照葉樹の森に抱かれた豊かな自然が数多く残されています。その中でも代表的な自然景観といえるのがこの「須木の滝」です。古くから景勝地として広く知られ、昭和8年には県の名勝に指定された「須木の滝」。別名「ままこ滝」とも呼ばれるこの滝はかつて、落差41メートル、滝つぼの深さ22メートルという勇壮な姿を誇っていました。ところが昭和33年に綾南ダムが完成したことによって小野湖が出現し水面が上昇。現在、その落差は半分近くとなってしまい当時の面影はありません。また、小野湖の湖底には水没によって移転を余儀なくされた小野地区がありました。滝の音とともに暮らしてきた270人余りの小野地区の人々の目には、現在の滝の姿はどのように映っているのでしょうか。落差こそ短くなったとはいえ、豊かな水をたたえる小野湖の湖面に轟音とともに水しぶきをあげて落下する滝の姿はやはり絶景。とても爽快で心地よく、夏の暑いころに観る景色としては最高です。

滝つぼに儚く消えた二つの命~ままこ滝伝説と観音像~

 ―昔、若い木こりの夫婦が幼い娘と親子三人で滝の近くで楽しく暮らしていた。しかし、ふとした病がもとで妻は帰らぬ人となってしまった。幼い娘を連れて木こりの仕事はできない。日々の生活すらままならなくなった木こりは、やむなく後ぞいの妻を迎えることにした。娘はやがて6歳になった。後ぞいの妻はこの子が邪魔で、何かにつけてきつくあたっていた。娘が唯一頼りとする父親は、朝早く家を出て夕方遅くにならないと帰らない。娘はこの継母と終日一緒にいるよりほかなかった。ある昼下がりのこと、野良仕事を終えた母と娘は、滝を真下に眺める岩の上に並んで腰をおろした。いつもは子を憎み、邪険に接する継母が、今日だけはどうしたことか「しらみでもとってやろうか」と娘を膝に引き寄せ髪をとかしはじめた。娘は今までに味わったことのない継母の優しさに接し、無心になって自分の帯と母の帯を結んだりほどいたりして遊んでいた。継母の恐ろしいたくらみをつゆほどにも知らずに…その時、頃合いを見計らった継母が、娘を満身の力で滝へと突き飛ばした。しかし、たまたま二人の帯はしっかりと結ばれていたのである。千尋の滝つぼへともんどりうって落ちていったのは、いたいけな娘とその子を憎み続けた継母の二つの塊であった。それ以後、人々はこの滝を「まま子滝」と呼ぶようになり、二人の供養のため、滝の近くに二体の観音像をまつった。この観音にちなんで「観音滝」とも呼ばれるようになった。 (須木村史から・一部中略)

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